第8回JDEC レポート0

2月6~7日の2日間、東京で開催された『第8回JDEC(日本フリースクール大会)&多様な学び実践・研究フォーラム』に出席してきました。
7日のJDEC終了後、通算21回目となる『ひきこもりフューチャーセッション庵』にも参加。
密度の濃い2日間で、自分が見聞きした範囲でレポートするだけでも、かなりのボリュームになりそうです。
ということで何回かに分けて、連載という形でお伝えしたいと思います。
わたし自身の負担減にもなりますし。

0回目の今回は、JDECの概要について。
JDECは「Japan Democratic Education Conference」の頭文字をとったもの。
そのまま訳せば、日本における民主的教育についての会議。
市民が主体的に教育・学びについて議論することから、学校という一つの枠に規定されない多様な学びの場を創出しようという意図があるのでしょう。
ポイントは「不登校支援」限定ではないこと。
学校に行けなくなった子どもに対する代替案としての「多様な学び」ではなく、既存の学校も含む「多様な学び」を日本国内に広め、保障させていこうというのが本来の主旨ということです。

しかし日本では約70年にわたって「子どもは学校でのみ学ぶ」という状況が続いたこともあり(逆に言えば70年前より昔はそれが当たり前ではなかったわけですが)、子どもの学びを考えるときに常に学校が基準になってしまいます。
ただ外国では「学校に行くかどうか」に関係なく、子どもに合わせた学校外の教育の場が用意されていることが珍しくありません。

そういった多様な学びを日本国内でどう保障していくかというのがJDECの初回(2009年)からテーマのひとつとして盛り込まれていました。
なので「多様な教育機会確保法案」は、その初回から議論されてきました(当初は「オルタナティブ教育法案」と呼称されてました)。
しかし日本における「学校基準」という考えの呪縛はきびしく、JDEC内でもこの法案を含めた「多様な学び」についての議論は錯綜しているのが実情のようです。
多様な学びというのがまず保障されるべきであり、そこに不登校支援が機能のひとつとして含まれるとするのか(学校基準ではない考え方)。
学校に行けなくなってしまった子どものフォローとして多様な学びを位置づけるのか(学校基準の考え方)。
法案策定にあたって議員の皆さんの理解の仕方にもいろいろあるようで、より錯綜感が増しているようです(現時点では法案から「多様な」という言葉が外れてしまっているという錯綜っぷりです)。

ややこしい話ではあるんですが、今後の学びについて考えていくにあたって、避けては通れない話ではあるなと実感したのは事実です。
何にせよ、これから混迷が増していく日本で生きていくにあたって、全ての人に「学びが保障されるべき」なのは間違いないことだと思います。
昨年からの法案に議論の流れが今ひとつ分かってなかったのですが、今回JDECに参加して議論の軸をようやく理解できた感じです。

それでは次回から、個々の報告と感想を数回にわたってお伝えしたいと思います。(藤井)