内閣府HPにある「ひきこもり」のためのサバイバルライフプランがすごい。

自分の子どもや友人知人が「引きこもり」の状態であるなら誰もが「なんとか脱出させたい」、「社会復帰して欲しい」と願う気持ちが一番に立つはずです。
しかし、その子が「一生働けないこと」を前提として《親が持つ資産を活用することで、お子さんの一生涯の生活が成り立つプラン「サバイバルライフプラン」》といったものがあり内閣府のHPで見ることができます。

それが内閣府共生社会政策統括官(青少年育成)のホームページ「ひきこもり支援者読本」内の
【親が高齢化、死亡した場合のための備え(生活維持のための自助)】。

『ひきこもり支援者読本 PDF版目次』

URL : http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/hikikomori/handbook/ua_mkj_pdf.html

ざっくりとその内容を口頭的に紹介させていただくと
「まず、今住んでいる家や土地の価格、親の貯金などの資産額と借金やローンなどの負債額を細かに算出しましょう。
そして、その土地・家を売って、今よりも小さい家を建てましょう。その家は賃貸併設の作りにして「家賃収入」を得れるようにしてみてはいかがでしょうか。また年金も未加入・未納の場合、勿体ないので免除申請をして受け取れるようにしましょう。」というようなもので、他にも、生活にまつわる公的な支援制度の紹介やATMでの預金の受け取り、買い物やゴミ出しのことなど、本人が最低限身につけておくべきこと、知っておくと良いものが丁寧でわかりやすく書かれています。
私も5年間の引きこもりを経験した人間ですが、読んでいてあまりにもリアルな内容だったために「面白かった、為になった。」というのが正直な感想です。

働けないことを前提としその生活を一生涯安定して続けられるよう作られた「サバイバルライフプラン」。しかし読んでいくと、何故か「なんかバイトでもやってみるか。」という気持ちが芽生えるような不思議さがあります。
それは「これで一生、安心して生きて行けるじゃん」という確信がもてたときに、どん詰まり状態の「出来ない」という呪縛から心が開放されるためかもしれません。

では最後に、元当事者の個人的な感想として。
これは両刃の剣であるかもしれませんが、けれど引きこもりを脱するために書かれたどんな本よりも、引きこもりであるひとが社会復帰へと至るバイブルとなる可能性をどこか否定できません。
「引きこもり」は当事者1人だけのことではなく、「親子」の二人三脚の歩みが揃っていないと上手く前には進まないからだと思います。
今の状況を否定するのではなく、受け入れたその先にある未来へ歩めるなら、もうそこに「引きこもり」はいないでしょう。その代わりに、元気で笑顔にもなれてずっとずっと明るいお子さんが居るのではないかと思うところです。

 

スタッフ・いそざき