多様な教育機会確保法案、提出断念

学校以外での学びの場の保障として、フリースクールや家庭での学習を新たな教育制度とする法案「多様な教育機会確保法案」(義務教育の段階に相当する普通教育の多様な機会の確保に関する法律案)の成立を目指している超党派の議員連盟が、今国会への法案提出は断念することを決めました。

■ 多様な教育機会確保法案、今国会上程を見送り(不登校新聞) : http://www.futoko.org/news/page0915-5493.html

■ <義務教育>家庭での学習も認める法案 議連が提出断念(YAHOO!ニュース) : http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150915-00000089-mai-pol

不登校状態の子どもにとって学校以外の場で学べることがが正式に認められる可能性となる期待があった一方で、しっかりとした議論が行なわれないまま法案提出が急がれていたり、個別学習計画の作成にあたって保護者の負担が大きくなるのではといった懸念材料も多かったというのが実情です。

ただ、今回の法案提出見送りの理由が、「法案の趣旨には賛同するものの不登校を助長するのでは」であるとか、「学校や教委が安易に不登校の子どもをフリースクールなどに行かせる動きを助長する恐れがある」といった意見が出されたからであるようです。「学びの本筋はあくまで学校のみ」という潜在的な価値観が根強く残っていて、それが新たな学びの成立の妨げになっているのだとしたら、それはとても残念なことです。

私たち「とまこまいフリースクール検討委員会」としては、こういった子どもに負担を強いる価値観を少なくしていけるよう、今のところは出来る範囲でとなってしまいますが取り組んでいければと思います。

本法案は、立法チーム座長の馳浩衆院議員によると「条文の手直しも含めて検討し、秋の臨時国会での提出を目指す」とのことです。(藤井)