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例会など、さまざまな事業の報告です。

生きづラジオ(仮)第1回配信とミニ勉強会

本日、無事に『生きづラジオ(仮)』第1回の配信を無事に終えることができました。観ていただいた皆様、ありがとうございました。下記URLにて9月15日くらいまで視聴できますので、まだご覧になられていない方は是非。

http://www.ustream.tv/recorded/70970716

2回目については今のところどうするかを全然考えてないのですが、どこかのタイミングで行なえればと思います。ノートパソコンと携帯Wi-Fiを使って出先で配信することも出来ますので、苫小牧市外の方と話をするのもいいのかなと。

配信前の午前中には、今回のラジオにゲストとして出演いただいた國井さんに講師をお願いして、不登校についてのミニ勉強会を行ないました。キーワードは「自殺」。若者の死因の1位が自殺であり、子どもの自殺数が夏休み明けに顕著に多いというデータが出ている。こうしたデータとして可視化されているのは氷山の一角で、水面下には自殺予備軍とでも言うべき「自殺へと至る根っこ」とでも言うべきものを抱えている子ども達がたくさんいるだろう、という話をしました。

「学校」という一つの価値観しか持っていない子ども達。一つの価値観ということは、それが世界の全てということでもあります。学校に行けないということは、世界に居場所がないということであり、それが自身の存在価値の喪失となり、結果として思考が自殺へと誘われる。それに拮抗するには、学校以外の多様な価値観が必要になってきます。

それは実は「不登校」、「子ども」というキーワードに限ったものではなく、大人、というより日本人のほとんどが潜在的に抱えているものかもしれない。その共通項となるのが「生きづらさ」であり、それが共通項であるのなら「生きづらさ」をキーワードに多様な人が共感できるかもしれない、という可能性の話も出ました。

子どもの不安は大人の不安の映し鏡でもあるという話もしました。本当の意味での多様性や柔軟性を大人が獲得し、それを説得力を持って子ども達に伝えられるかどうか。「多様性」そのものは理解されるようになってきてはいますが、多様性にお金が付くというところまでにはまだ行けていない。多様性で食っていけるようになるには、どうすればいいか。そういったことを継続して話し合える場が必要なのかもしれません。フリースクール検討委員会でその場を提供していければ、ということでいろいろ準備を始めているところです。ミニ勉強会や6月の『「不登校」について語りませんか』のようなイベントを定期的に開催できればと考えています。(藤井)

例会9回目 終了

検討委員会・藤井です。

本日、例会9回目を開催しました。先日のイベント『「不登校」について語りませんか』に参加いただいた親御さんが多数出席してくれました。ただ、今回の例会は今後に向けての具体的な運営についての話がメインだったので、親御さんにとってはハードルが高すぎる内容だったかもしれず。それでも、こちらからの問いかけに真摯に答えてくださり、ありがたかったです。

親御さんの参加が多かったので、苫小牧での不登校の親の会立ち上げについて当事者の視点からの意見も聞いたうえで改めて話し合いをしまして、試験的なところからではありますが正式に始めることにしました。夏休み明けとなる来月下旬の予定。いきなり大人数だと戸惑いが大きいという意見があったので、大々的な告知はせず小ぢんまりした形から始めてみます。上記親御さんたちと一緒にイベントに参加してくれた札幌のフリースクール自由が丘学園のスタッフ・高村さんがブログにイベントの感想と合わせて親の会の可能性について書いてくれています。(http://www.sapporo-jg.com/staff-blog/2015/07/07-085527.php

助成金を使った事業については、概要をざっくりと触れてから、具体案をいくつか提示ゲストを呼んでのフォーラムやシンポジウム、ワークショップといったイベント系。それと子ども達の居場所をモデル的に助成金を使って運営してみるといった辺り。イベントについての具体的な参考例として、ネットにアップされている不登校関連の講演動画を参加者全員で視聴しました。不登校に限らないことですが、社会的に排除されてしまう人たちの支援は当事者への働きかけだけでは成立しません。社会的課題でもある以上、世の中への周知と理解を促すことも必要で、そこをカバーするのが講演などのイベントの位置付けになります。ここがクリアされないと、仮にフリースクールを立ち上げることが出来たとしても継続は難しいでしょう。助成金についての詳細は次回に回しました。

ここまででけっこうな時間を費やしてしまったため、この後の議題は駆け足になってしまいました。情報発信サイト「こどもかけはしネットワーク」の活用については、イベントのアンケートに記載されていた不登校関連の書籍情報のほか、ネット上のコラム・動画などの紹介もあった方がいいのではという意見も。またソーシャルワーカーについてや苫小牧市内にすでに存在している子供の居場所についてなど、よりダイレクトに役立つ情報が不足しているという指摘もありました。こちらも少しずつになってしまいますが、意見を反映していきます。それとTwitterアカウントを作りました(https://twitter.com/fs_kento)。こちらでも情報を流していきます。

最後に「フリースクール検討委員会」の名称について。こういう名前を付けているので、いろんな方々から「それでフリースクールを立ち上げるのは、いつ頃になるんですか?」という質問をよく受けます。しかし高村さんのブログに書いてあったとおり、フリースクールを実際に立ち上げるのはかなり難しいというのが実情です。先ほどの質問に対しては「今のところ無理だと思います」というのが本音です。だから名前を変えた方がいいのではないか。子供にとっても親にとっても、フリースクールより前にそれぞれ「ホッとできる居場所」が必要という考えが例会の中で共有されていったのですが、フリースクールという言葉だけだと居場所を連想できないという意見もありました。ただ、ここにきて別の名前というのも難しく、半年以上この名前を使ってきたことで妙な定着感みたいなものもあります。そして改めて自分たちの活動を振り返ったときに、ひとまず「フリースクール」という目標を定めて、そこに向けていろんな角度から「検討」を行なっているのは事実。名前に偽りなし。検討の結果、フリースクールという道へ進まない可能性もある。でもフリースクールについて検討したことには間違いない。それにフリースクールの定義だって実は様々。それこそ高村さんのブログにも「親の会がフリースクール的位置付けになる可能性がある」と書いている。なので「フリースクール検討委員会」という名前は変えずにこのままということになりました。結果的に自分たちの取り組みを振り返るきっかけになったので、けっきょく名前は変わらなかったわけですが話し合いそのものは良かったのではないかと思います。

といったところで9回目の例会は終了。次回の開催日は、これから決めます。

「不登校」について語りませんか 無事終了

検討委員会・藤井です。

フリースクール検討委員会主催イベント『「不登校」について語りませんか』、無事終了しました。参加者は当初の予定どおり約20名。当事者のお子さんはいませんでしたが、親御さん、元当事者、親の会スタッフ、フリースクールスタッフ、新聞記者さんなど幅広い層の方々に来ていただけました。

ファシリテーターを設置して、参加者各人の素直な気持ちを話してもらい、それを否定しないというスタンスで話を進めました。「不登校」という現象は様々な不満を内包しているので、どうしてもそのぶつかり合いというものが起こってしまうのですが、私たち検討委員会として、そしておそらくは苫小牧としてもはじめて本格的に「不登校」という現象に向き合っていくのであれば、議論ではなく、まずそれぞれが語る言葉とその意味を受け止めることから始めてみました。そして昨日に関しては、こういった「場の設定」は有効に機能していました。参加者各人の率直な話から、相互の理解と、課題の発見と、次へ進む道筋を見つけられたと思います。特にほとんどの親御さんから「参加してホッとした」という言葉を得られたのは良かったです。

いろいろな意見・考えが出された中で、プライベートな話題はここでは書けないのですが、大きなポイントと思われるものを2点あげてみます。

ひとつは「親の会」の要望が多く見受けられたこと。これは検討委員会の例会でも「フリースクールより前にまず親の会を作った方がいいのでは」という形で意見があがっていました。おそらく次の目標は、この「親の会」設立になるのではないかと考えます。小規模なものからで構いませんし、毎月じゃなくてもいいですが、継続できる形にはしたいところです。

もうひとつは「積み重ね」の問題。不登校に限らず、ひきこもりでも、若者の就労支援でも、ホームレス支援でも、生活困窮者支援でも・・・。各地で様々な団体・個人がこれまで長年にわたって活動をしてきています。そこで積み重ねられた知識・ノウハウがあまり、というかほとんど共有されていない。不登校支援の歴史は20年を超えるもので今回のような不登校イベントとその中で語られたことは、先行している他の地域ではすでに何度も語られてきたものです。こうした知識・ノウハウを知らずにゼロから取り組みを進めていくのと、ノウハウを自分なりに解釈しながら活用していくのと、長い目で見たときにどちらの方が負担が少ないかは明白です。一方でノウハウを共有・応用していくのは言うほど簡単ではない側面もあります。それでも、先行して取り組んでいる方々のノウハウを活用していく方向で私たちは活動を進めていければと考えます。実際、札幌や函館のフリースクールから「応援します」とのメッセージを頂いてますので、せっかく差し伸べてもらった手をうまく活用していけるよう、それこそ「検討」していきます。現実的に考えていくのであれば、「なぜ共有が難しいのか」という背景について考えていく必要もありそうです。

さて、今後の予定です。

次の土曜日となる7月4日、今回のイベントの会場として使わせてもらった「放課後等デイサービスぽっけ」にて地域居酒屋が開催されます。ここの一室を「フリースクール検討枠」としてお借りして、飲み食いしつつ、いろいろ話ができる場にします。詳細はこちらを参照してください。https://www.kokanet.org/archives/349

7月13日には、フリースクール検討委員会・例会9回目を開催します。今回のイベントで話されたことを受けて、今後の動きについて考え合う場になります。関心のある方でしたら、どなたでも参加できますのでお気軽に顔を出してみてください。途中参加・途中退席OKです。詳細はこちら。https://www.kokanet.org/archives/401

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