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例会など、さまざまな事業の報告です。

生きづラジオ#002 配信

とまこまいフリースクール検討委員会プレゼンツ『生きづラジオ』第2回目を昨晩、生配信しました。

この映像ラジオは「不登校」というキーワードに捉われず、もっと大枠の「生きづらさ」について様々なゲストの皆さんと話をする中で考えていく番組です。今回の2回目でも少し話されましたが、個々人が感じる「生きづらさ」の定義は当然ながら人によって違うだろうと。一方、社会構造の影響によって感じる生きづらさは各人が同じ社会で暮しているわけなので根っこは共通でもある。視点を変えることによって、生きづらさの本質も変わり、その間はグラデーションのようになっている。要するに「生きづらさ」というのは複雑で、簡単に説明できるものではない。そこで、先ほど書いたことに戻りますが、いろんな人に「生きづらさ」を語ってもらうことで、生きづらさという言葉が抱える複雑さを少しずつ解きほぐしてみようという試みがこのラジオです。

なんか堅苦しく書いてしまいましたが、このコンテンツはフリースクール検討委員会の中では、かなり緩いものになりますので、気楽8割・真面目2割くらいで聴いていただければと思います。

さて、今回の第2回、札幌を拠点に全道各地(というと大袈裟か)で活動されている、訪問と居場所(訪問型フリースクール)漂流教室のスタッフ相馬契太さんをゲストにお招きしました。

※訪問と居場所 漂流教室ホームページ : http://hyouryu.com/

1回目のときにいた技術スタッフがおらず、わたくし(藤井)のみで配信したため、配信環境が安定せず、90分くらい行なったせっかくのいい話が残念ながら録画できませんでした。相馬さん協力のもと急遽フォロー映像を作りましたので、未見の方々はひとまずこちらもを聴いていただければと。こちらは後日、YouTubeにもアップします。ただ、本編で「適度な失敗も許容することが生きづらさの予防のひとつ」という話をしたので、その内容に沿えばこうして録画を失敗したことはかえって良かったのではないかと。話の内容に説得力を持たせられますしね。

※生きづラジオ#002フォロー映像 : http://www.ustream.tv/recorded/73785246

フォロー映像と言いながらフォローできていない本編での内容が多いのですが、ここでいくつか挙げるとするならば。

漂流教室主催で年1回開催されているイベントに『しゃかいさんか』というのがありまして、過去2回行なわれ、1回目には藤井も後半の進行役として参加しました。そのときのテーマとして「社会に参加(関わる)するにあたって何かというとお金がかかる、あるいは消費行動をさせるという状態をなんとかできないか」というものがありました。で、実際にそれを実現している人たちをゲストに呼んで話をうかがったと。

※『しゃかいさんか』の企画意図 : http://d.hatena.ne.jp/hyouryu/20140302/p1

※ひきこもり名人×いっぱんじん連合「しゃかいさんか」まとめ : http://togetter.com/li/640363

※しゃかいさんか2総括 : http://d.hatena.ne.jp/hyouryu/20150327

ちょっと話がずれますが、世の中には予算をつけて「事業」として行なわないと具体的に取り組めないものが多い。これ自体を否定するつもりはありません。これはこれで大事なことです。ただ予算をつけた事業では、世の中に存在する全ての困りごとに対応できないというのが、残念ながら実情です。環境が整うまで待っていたら、今現在困っている人たちが放置されてしまう。

そこで、その「隙間」を埋めるために、お金をかけずにできること、あるいは個々人が出来得るお金の負担でもって、様々な取り組みをした方がいい。ただ予算が少ない中でやらなければならないので、そこは各人の関心・やりたいこと・興味のあることを主軸に置くしかない。そして、そういう形で人が集まるのなら、「お金を稼ぐための共同体」ではなく、「同じ関心を持つ人たちの共同体」の方が望ましい。そのためにはソーシャルネットの力を活用することになる。また、こういう動きも少数では全ての困りごとに対応できない。だから各地でそこで暮らす人たちなりのいろいろな取り組みがどんどん始まった方がいい。何をやっていいか分からなければ、「これちょっと面白いな」と思ったものを真似るところから始めてもいい。そして、その情報を伝えられる人が周りに伝えていく。

ちょっと難しくなってきたので、ここでの深堀りはやめておきますが、ひとつ言えるのはこの『生きづラジオ』もそうした「あまりお金をかけずに」「同じ関心を持つ人が集まって」行なっている取り組みのひとつなんです。

上記のことは正解ではありません。わたし自身も迷いや矛盾を抱えながらやってます。でも、自分が進むのはこっちの方向なんじゃないかなという直感がまずあって、そこに世の中や他の人たちの意見を裏付けして手探りで実際に進んでいる、といったところです。

ラジオという媒体についての話も相馬さんからありました。ラジオは1対複数のソーシャルなものだけど、他のメディアと比べてリスナーにとって1対1と捉えやすいものなんじゃないか。それはラジオのパーソナリティがリスナーに語りかけるときに「ラジオの前の皆さん」ではなく「ラジオの前のあなた」という表現を使う傾向にあることからも言える(特に深夜ラジオ)。そういう意味で、例えばまだ社会との接点に折り合いをつけるのが難しい不登校やひきこもり状態の人たちに何かを発信するときにラジオという形態は有効となる場合があるのかもしれないのかなと。

生きづラジオ、ありがたいことに第3回、第4回のゲストが内定しています。近いうちに続きを配信できる、かも。今度は配信状況をもうちょっと安定して臨みたいと思います。このラジオは基本不定期なので、ゲストが複数見つかったときは頻繁に配信しますが、ゲストがいないときはけっこうな間が空く可能性があります。上記のとおり緩い取り組みですので、配信する側も聴いていただく側もフリーダムな形でやっていければと思います。(藤井)

不登校相談会、参加してきました

北海道フリースクール等ネットワーク主催・第二回不登校相談会&シンポジウムに参加してきました。

前半は不登校の親の会「石狩かめの会」のお二方によるシンポジウム。残念ながら、わたくし藤井が会場に到着するのが遅くなったため、最後の方しか聞けず。個人的にお二方と面識があるので、どんな感じの話をされたか、なんとなく想像がつかなくもないですが、当事者の親御さんの話は同じく当事者の親御さんにとって相応の説得力を持つものではあったのではないでしょうか。

※北海道フリースクール等ネットワーク ホームページ : http://npofsnet.sakura.ne.jp/

※石狩かめの会ホームページ : http://d.hatena.ne.jp/isikarikamenokai/

後半は6つのグループに分かれての相談会。フリースクールスタッフ&親の会メンバーと相談者という組み合わせ。我々フリースクール検討委員会は本格的な相談業務をやっているわけではないので(名前通りまだ基本検討がメインなので)、自分は申し訳ないことにどっち付かずの立ち位置での参加。本業である若者就労支援に関連付けて話をしましたが、お役に立てたかどうか・・・。ただ、「相談」という形で親御さんと接する、あるいは接している人のそばで直に話を聞くことで得られるものは、とても大きかったです。苫小牧での今後の取り組みにフィードバックできるものは多かった。

自分の中では札幌は不登校支援の先進的な場所という勝手な思い込みがあったのですが、今日参加された親御さんの中には「学校以外の学びの場」や「不登校支援」について今日初めて知ったという方がそこそこいたのが印象的でした。やはり、知られてないんですよね。相談会のことを「たまたま」知ってやってきたという方もいて、伝わるべき情報が、なかなか伝わらない実情があるんだなと。札幌でこうでは苫小牧はさらに難しいのか、とも思ったのですが、人口の割合的に都市部の方がかえって情報が伝わらないのかとも思ったり。はたして、どっちなのか・・・。情報が少ないことによる不安が大きかったという親御さんもいて、本当に情報をどう伝えるかというのが大事なんだということを再認識。

「昼夜逆転」、「ゲームにはまって止められない」ことに不安を抱える声も聞かれました。他のグループでも同じ話が聞こえてましたっけ。どういう過程でそこに至ったかは人それぞれなんだとは思います。6月にやった苫小牧のイベントでは元当事者から「昼夜逆転は一周していつか元に戻る」という話が出ていたし、ゲームについても飽きてくるタイミングがあるんですよね。そこで少しでも「他にやりたい事」という関心が生まれれば、それに合わせて時間を調整して夜に寝るようになるかもしれないし、ゲームの時間を少し控えようとするかもしれない。そして「やりたい事」というのは不安が薄らいだ状態からじゃないと生まれにくい。親御さんが焦ってしまう気持ちは分かる一方で、あせらずに子どもが抱える不安を薄めていくところから始めていくしかないんじゃないか。相談の場ではここまで突っこんで話せなかったのですが、昼夜逆転やゲームを止められないということに関して別な視点を持ってみてはどうかという提案はしてみました。

一人の親御さんが「今日ここに来たことで少しホッとした」と最後に話されていたので、やはりこういう同じ境遇の当事者や第三者と話をする場には一定の効果はあるんだなと。子ども本人にしても親御さんにしても、「少しホッとした」という状況を継続して繰り返していくところから始めていくしかないんじゃないかなと思います。そして「少しホッとすることを繰り返す」には、今回のように家庭と学校以外の場所が必要。それは苫小牧でも同じ。(藤井)

最後に、ちょこっとだけ聞いた前半のシンポジウムから、かめの会の皆さんが話された内容をメモ書きで。これが正解ということではなく、あくまでひとつの参考として読んでいただければ。

・ 助けてくれそうな場所を外部に何ヶ所か持つ

・ 学校に行かなくても何とかなる、心配してもきりがない、子どもが大丈夫という確信を持つ

・ 反省はするけど、後悔はしない

・ 大丈夫になるではなく、大丈夫にする

・学校以外の居場所は探さないと分からない、学校は教えてくれない

・ 学校に行かなくなると、他の子どもと比較しなくて済むようになる

・ 当初は子どもと一緒に勉強したが、途中からやめるようにした

・ 学校のにおいのするもの(感覚として)は不安を呼び起こすので、いったん遠ざけるようにした

・ 学校に行かないということは「嫌なことは嫌と言える子どもに育った」とも言えるのでは

15年度第2回不登校相談会チラシ0001

「第1回 不登校の親の会」報告

2015年8月22日()に開催された「第1回 不登校の親の会」の報告です。

参加者合計12名で内訳としては、
当事者の親御さん6名、スクールソーシャルワーカー1名、スクールカウンセラー1名、運営メンバー4名といったメンバーで開催しました。

この場に出てきてくれる方は前向きで明るい方が多かったように感じます。

今回の親御さんは皆さん子どもさんの特徴をよくとらえていたと思います。

大まかな話としては、

  1. 子供は 学校に役割(役員等)居場所を見つけられると行きやすいようだ。
  2. 担任の先生との関係(担任が嫌い等)
  3. お母さん自身の楽しみ(気晴らし、仕事等)
  4. 子供が否定的な考え(自分は居ない方がよい、何に為に生きてる・・・。等)
  5. 子供と一対一でどう過ごしているのか?
  6. 兄弟との関わりどうしてる?
  7. 「褒める」より「感謝する」ほうがいい
    (「偉いね!」ではなく「ありがとう」などの感謝の言葉)

この点で意見交換となりました。

やはり、小学五年生位から子どもの様子が変わってくるということが話しの中では多かったというところ。

それと、中学生で不登校の症状が出ても、その「気配」は小学生のうちから見えているのが(改めて)分かったという声もありました。

親御さんから、前回のイベント(「不登校」について語りませんか)の様子・感想を子どもに求められた際、人数を伝えると、じゃあ来ていた人と同じだけ友達になれる人がいるってことだね。っと前向きな言葉もあったとの事でした。

この中の話し合いでやはり第三者の存在、関われる居場所、の大切さを痛感。

次回開催にあたり、チラシの作成。
新聞への掲載。ソーシャルワーカーの協力。ホームページへの掲載。
今後、チラシを貼ってくれそうなお店等に参加者(親)自身がお願いして親が動ける状態にしていく。

また、不登校状態になってしまう前に親の会があるということを告知できないだろうか?

大まかですがこんな話題でした。
初回から良いスタートが切れたと思います。

次回、親の会は9月26日() 18時より開催されることに。
定期的にやる方向となりました。
※詳細が決まり次第、正式に告知します。